いろいろな中耳炎
中耳とは、鼓膜の奥にある空間で中耳には「耳小骨(じしょうこつ)」と呼ばれる小さな骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)が並んでいて、鼓膜の振動を内耳へ伝える役割をしています。この中耳に炎症が起きた状態を中耳炎と言います。
中耳炎にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や症状、治療法が異なります。ここでは代表的な4つをご紹介します。
1)急性中耳炎
-
特徴
かぜや鼻炎がきっかけで細菌やウイルスが中耳に入り、炎症を起こす病気。
-
症状
耳の痛み、発熱、耳だれ、難聴。子どもに多く見られます。
-
治療
軽症では対症療法で経過観察することもありますが、多くは抗菌薬を使用。必要に応じて鼓膜切開を行います。
-
放置すると
乳突洞炎・内耳炎・髄膜炎などに重症化する可能性があります。
2)慢性中耳炎
-
特徴
急性中耳炎が繰り返されたり、治りきらなかったりして慢性的に炎症が続く中耳炎。鼓膜に穴(穿孔)が残ってしまうこともあります。また、ごく稀に結核や好酸球性副鼻腔炎、自己免疫疾患に伴って発症することもあります。
-
症状
耳だれ(長期間続く)、難聴。耳の痛みは少ないこともあります。
-
治療
耳だれを抑えるための点耳薬や洗浄が行われます。鼓膜に穴が残っている場合は、鼓膜を閉じる手術(鼓膜形成術)が必要になることもあります。
3)滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)
-
特徴
中耳に膿ではなくさらっとした液体(滲出液)がたまる中耳炎。急性中耳炎の後や、鼻や喉に炎症を起こした後などで耳管が狭くなったときに起こりやすいです。さらに、アデノイド肥大(鼻の奥にあるリンパ組織が大きくなること)も原因のひとつとなります。子どもだけではなく大人も起こります。
-
症状
耳の痛みや発熱はなく、主に難聴が目立ちます。
- 耳が塞がったような感じ
- 水の中にいるような感じ
- 子どもでは呼んでも気づかない、テレビの音を大きくする、などで気づかれることがあります。
-
治療
- 抗炎症薬や抗アレルギー薬などの内服治療
- 滲出液を外に出すための鼓膜切開
- 症状が長引く場合には鼓膜に小さなチューブを入れて換気を改善する換気チューブ留置術
4)真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)
-
特徴
鼓膜の一部が内側に入り込み、そこに皮膚がたまって袋状になり、真珠のように白いかたまり(真珠腫)ができる中耳炎。大人に多い病気です。
-
症状
耳だれが長期間続く、難聴、耳の違和感。進行するとめまいや顔面神経麻痺を起こすこともあります。
-
治療
自然には治らず、放置すると骨を壊して周囲に広がるため、手術による摘出が必要です。
まとめ
「中耳炎」といっても、急に起こるものから、慢性に続くもの、液体がたまるもの、特殊な真珠腫を伴うものまで、さまざまなタイプがあります。症状や治療法はそれぞれ異なるため、耳の症状が続くときは自己判断せず、耳鼻咽喉科で適切な診断と治療を受けることが大切です。