豊洲みみはなのどクリニック | 東京都江東区豊洲の耳鼻咽喉科・小児耳鼻咽喉科

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好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎について

1)病態

好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)は、近年増えている特殊なタイプの副鼻腔炎です。通常の副鼻腔炎とは異なり、好酸球(こうさんきゅう)と呼ばれるアレルギーや炎症に関わる白血球が、鼻や副鼻腔の粘膜にたくさん集まることで起こります。

特徴
  • 鼻ポリープ(鼻茸:はなたけ)ができやすい
  • 匂いがわかりにくい(嗅覚障害が強い)
  • 喘息を合併することが多い(成人発症の重症喘息が目立つ)
  • 薬や手術で改善しても再発しやすく、難治性

2)診断

好酸球性副鼻腔炎の診断には、JESRECスコアという基準が用いられます。

  • 両側に症状がある
  • 鼻茸(鼻ポリープ)がある
  • CTで篩骨洞(鼻の奥の副鼻腔)に強い影がある
  • 血液検査で好酸球が増えている

これらを点数化して合計し、一定以上の場合に疑いが強まります。さらに、手術や生検(病変の一部を切り取ること)で取った組織に好酸球が多数認められた場合、確定診断となります。

また、気管支喘息、アスピリン不耐症、NSAIDsアレルギー、好酸球性中耳炎を合併すると中等症~重症とされます。

好酸球性副鼻腔炎は「指定難病」に含まれており、申請が通ると医療費の自己負担が軽減されます。

3)治療

薬物療法

ステロイド点鼻薬:炎症やポリープの腫れを抑えます。
内服ステロイド薬:重症時に短期間使用します。
抗アレルギー薬:アレルギー性鼻炎や喘息の合併がある場合に用います。

手術療法

内視鏡下副鼻腔手術(ESS):副鼻腔を広げ、ポリープを除去し換気機能・排泄機能を改善します。ただし、好酸球性副鼻腔炎は再発が多いため、手術後も薬物療法を継続する必要があります。

分子標的薬(抗体製剤)

デュピクセント(デュピルマブ):近年承認された分子標的薬で、好酸球性副鼻腔炎の炎症反応を抑える効果があります。
手術や全身ステロイド投与などの既存治療ではコントロールができない患者様に適応があります。

効果
  • 鼻ポリープの縮小
  • 鼻づまりや嗅覚障害の改善
  • 再発予防
投与方法
  • 初回投与:600mg(300mgを2本皮下注射)
  • 以降:2週間ごとに300mgを皮下注射
  • 皮下注射はクリニックでも自宅でも可能です。
  • 投与は長期間にわたり継続的に行う必要があります。

まとめ

  • 好酸球性副鼻腔炎は、好酸球が関与する特殊な副鼻腔炎で再発しやすく難治性です。
  • 診断にはJESRECスコアを用い、血液検査・CT所見に加えて、手術や生検で取った組織に好酸球が多数あることが確定診断につながります。
  • 喘息、アスピリン不耐症、NSAIDsアレルギー、好酸球性中耳炎を合併すると中等症~重症と判定されます。
  • 好酸球性副鼻腔炎は指定難病に含まれており、申請が通ると医療費の自己負担が減ります。
  • 治療は内服薬や点鼻薬、手術に加え、デュピクセント(デュピルマブ)という分子標的薬(抗体製剤)が新しい有効な選択肢です。
  • デュピクセントは2週間ごとの皮下注射で、クリニックでも自宅でも投与可能です。鼻ポリープの縮小や嗅覚の改善、再発予防に効果があります。
  • 当院ではデュピクセントによる治療を行っています。すでに他院で診断を受けた方や治療を行っている方も当院で治療が可能ですので、医師にご相談ください。